価値創造研究センターのページ
情報革命は世の中にある様々な問題に対する解決手段を大幅に拡充させ、新しい価値創造のための手段も与えてくれます。情報科学技術は人類にこれまで想像もつかなかった新しい価値を提供する可能性を秘めています。
名古屋大学大学院情報学研究科が目指す究極目標は、新しい「情報学」の創造にあります。
新しい「情報学」では、自然・人間・社会・人工物を情報の流れを創出するシステムとして統一的に理解します。そして、新しい情報の流れを総体としてデザインし、法・規範や制度・組織・意思 決定までを含む「広い意味での情報システム」を構想・実現します。
情報学研究科では,私たちへ求められているミッションを継続的に遂行・発展させていくために価値創造研究センターを2017年4月に設置しました。同センターは大学のシーズを価値創造につなげる役割も担っています。
活動領域
研究・教育プロジェクト
博士課程教育リーディングプログラム
「実世界データ循環学リーダー人材養成プログラム」
教員
センター長/インキュベーション部門長/教授 北 栄輔
基幹研究部門長/准教授 笹野遼平
人材育成部門長/准教授 西田直樹
人材育成部門 /特任教授 出川章理
インキュベーション部門/特任教授 原 邦彦
連携・客員教員
心理・認知科学専攻 客員教授 小林哲生 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
情報システム学専攻 客員教授 大山博司 (オークマ株式会社)
客員教授 牧戸知史 (株式会社豊田中央研究所)
客員准教授 大谷寿賀子(ルネサスエレクトロニクス株式会社)
知能システム学専攻 客員准教授 小川厚徳 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
価値創造研究センター人材育成部門
客員教授 荒木克彦(中部電力株式会社)
客員准教授 藤田 豪(株式会社MTG Venture)
加藤真平(東京大学大学院情報理工学研究科)
価値創造研究センターは、基幹研究部門、人材育成部門、インキュベーション部門の3部門から構成され、各部門が現実世界とサイバー空間が高度に融合した社会において必要とされる情報学の創出と、新たな価値の創造に向けて、以下の4つのプロジェクトやグループを中心に基礎研究から起業までの多様な活動を推進します。
ものづくりインフォマティクス・グループ (Manufacturing Informatics Group)
これまでの物質・材料・素材分野におけるマテリアル設計や最適プロセス探索は、実験や特性計算に多大な時間を要し、膨大な新規素材候補から高付加価値の新製品を効率的に製造開発することは容易ではなかった。
ものづくりインフォマティクス・グループは、このような材料探索から製造・生産プロセスまでの工学的手法に、機械学習をはじめとした情報学の手法を融合することにより、データ駆動型の革新的なものづくりの技術的基盤を構築することを目標とする。
自然言語処理グループ (Natural Language Processing Group)
自然言語処理は人工知能分野における中心的なテーマの1 つとして活発に研究されており、機械翻訳やスマートスピーカのように日常的に使われるツールにも不可欠な技術的基盤を提供している。一方で、人間が言語を通して知識を獲得し、世界を理解するといった高度な言語理解の仕組みについてはほとんど解明されていない。
自然言語処理グループは、このような多様な研究課題とその解決手法に取り組むとともに、学内外および異分野の研究者との連携を推進し、本分野の研究の進展に大きな貢献をすることを目標としている。
ポジティブ情報学プロジェクト (Positive Informatics Project)
「ポジティブ情報学」は、人工知能化された未来社会(超スマート社会)において、情報を介して人間と社会の幸福(well-being)を実現することを目的としています。
哲学・倫理・美学の立場から人工知能化された未来社会のあるべき姿を考究・提示します。また、心理・認知科学の立場から変容していく社会における人間の情報処理メカニズムを解明します。そして、社会・複雑系の立場から社会の変容プロセスを理解し、新たなデザインに結びつけることを研究します。
バイオ・マテリアル・アグリ情報学プロジェクト
(Material, Biological, and Agricultural Informatics Project)
物質情報(原子構造・官能基・物性など)や生体情報(遺伝子ゲノム情報、タンパク質情報など)に関するデータの蓄積は爆発的に増大しています。
これらのデータを機械学習やAIなどの手法を用いて分析し、持続可能な循環型社会の実現と健康寿命の延伸につなげることを目的として、その成果を材料・農業・食品産業・創薬などに結びつけるための研究を行います。