複雑系科学専攻

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概要

複雑系科学専攻では、自然や社会における複雑系を対象とする研究・教育を行います。
「自然や社会における複雑系」とは、「情報」を伝達・変換・蓄積する能力を持つ、分子、ニューロン、エージェントなどの多数の要素が複雑に絡みあうネットワークであり、本専攻においては、「複雑系」を「情報流動」を創出する分散型情報システムとみなして、情報学の観点から研究を進めています。
「複雑系」の大きな特徴は、要素間の相互作用を通して、要素単独の性質からは予期できないような秩序構造や高次機能を動的かつ自律的に生み出す自己組織化にあります。私たち複雑系科学専攻では、こうした構造や機能の自己組織化過程を、“情報流動”のダイナミクスに基づく“情報処理”過程とみなすことを皮切りに、理論・実験・計算の革新的方法を開発適用して普遍的な視座を手に入れ、情報流動の原理を明らかにするとともに実践的な「知」を生み出すことを目指します。
その目標に到達するために、多岐にわたる自然・人間・社会・人工物など実世界の複雑系現象を対象に、多様な革新的方法論の発見・開発・応用に加えて、従来の要素還元的方法にとらわれない、モデル系を「つくることによって理解する」構成論的方法に関する教育を行います。
これらの教育研究活動を通して、実世界の現象をシミュレーションとデータ・サイエンスの視点から理解するとともに、情報流動の原理を新しい分散型情報システムの設計へと応用し、革新的・総合的思考や構成論的思考による新しい発想に基づいて知識や技術を創造できる優れた技術者と研究者を養成することを本専攻のもう一つの目標とします。
こうした知識や能力を備えた人材は、例えば、企業において、シミュレーション、デザイン力を通して、新たな製品やサービスを創造する開発者、政府・官公庁において、戦略立案をシミュレートする専門官などの職業を通じて社会に貢献することが期待されています。

主な開講科目

複雑系科学特論1・2
多自由度システム特論A・B
現代数学と力学特論
情報物理学特論
物質情報ダイナミクス特論1・2
マイクロ・ナノ物質情報特論1・2
生物有機科学特論A・B
化学情報学特論
遺伝情報システム特論1・2
バイオインフォマティクス特論1・2
人工生命特論1・2
創発コンピューティング特論1・2
環境情報特論1・2
複雑系プログラミング特論1・2
複雑系計算特論1・2
生体センシング特論
感覚情報処理特論
最適設計特論1・2
流体移動現象特論
流体情報学特論
可視化情報特論1・2
大規模複雑系計算特論1・2
計算科学フロンティア連続講義
大規模並列数値計算特論

 

講座・教員

多自由度システム情報論講座

この講座では、統計力学・量子力学・計算物理学などの視点・手法に基づく情報物理学を発展させ、自然・社会における多自由度システムが創発する協同現象の原理を究明・解析することを目指します。そして同時に、情報物理学の発想法を身につけて複雑な問題の定式化と解決のできる人材を養成します。
教員
教授    杉山 雄規   谷村 省吾   時田 恵一郎
准教授   中村 泰之
助教    泉田 勇輝

生命情報論講座

この講座では、多様なスケールの生命現象を生体構成分子の動的変化として捉え、それらの機構を、実験と理論(計算)の連携により解明することを目指します。そして同時に、ポストゲノム時代に氾濫するデータの海から有意な情報を選び出し、物理化学の原理に基づくリアリスティックな生命観を築く事の出来る人材を養成します。
教員
教授    太田 元規   吉田 久美
准教授   青木 摂之
講師    塚本 眞幸
助教    小池 亮太郎

物質情報論講座

この講座では、自然を大規模多階層システムとしてシミュレーションする情報技術を駆使して、複雑な分子現象における情報の流れが機能発現へと統合・組織化される過程を解明することを目指します。そして同時に、情報機能物質を創製する原理の確立を目指して、情報過程の物質的基盤に関する教育・研究を行います。

教員
教授    古賀 伸明   長岡 正隆
客員教授  北浦 和夫*
准教授   張  賀東
助教    井内 哲

*量子化学研究協会

創発システム論講座

この講座では、自然や社会現象における情報流動を要素間の相互作用から生じる創発現象を捉え、その原理を数理モデル・シミュレーション・実験・データ分析等を駆使して理解することを目指します。そして同時に、新たな理論の構築や実社会問題の解決に応用するための教育・研究を行います。
教員
教授    有田 隆也   北  栄輔
准教授   永峰 康一郎  鈴木 麗璽
助教    笹原 和俊

複雑系計算論講座

この講座では、非線形力学や人間の行動が示す複雑系現象について、それらの数理モデルと計算法を情報学のアプローチを用いて究明することを目指します。そして同時に、複雑系現象の予測、制御および設計を可能とする複雑系計算論の教育・研究を行います。
教員
教授    畔上 秀幸   大岡 昌博   渡邉 崇
准教授   鈴木 泰博

情報可視化論講座

この講座では、自然、社会の実システムを対象として、空間的・時間的に遍在する膨大なデータから有用な情報を抽出する「情報解析法」という研究手法を駆使して、実システムを理解し、そして、より優れた解析法を構築することを目的にした教育・研究を行います。
教員
教授    内山 知実
准教授   安田 耕二*
*未来材料・システム研究所

 

独自手法を用いた複雑な物質系合成機構の解明(例:リチウムイオン電池などへの応用)

Unveiling Mechanisms of Complex Materials Synthesis with Unique Methods(Ex. Application to Lithium Ion Batteries, etc.)

アジサイの花色変異の本質は細胞毎に色が異なることにあり、超分子錯体の形成に基づく複雑系現象の一つである。

Color change of hydrangea is a phenomenon of complexsystem due to the formation of blue supramolecule.

ナゴヤドームでの実車を用いた渋滞実験

Trac jam experiment using real vehicles in Nagoya Dome

 

上:仮想生物の発生・進化モデル,
下:進化後の様々な仮想生物16体(上段:幼生期は水中、成体期は陸上での移動距離により適応度評価,下段:逆順,矢印は移動方向)

Top: A computational model for the evolution of metamorphosis, Bottom: 16 examples of evolved metamorphosis (Upper: aquatic larvae -> terrestrial adults, Bottom: terrestrial larvae -> aquatic adults). Fitness is a geometric mean of creature’s moving distances in their larval and adult stages.

ヒトの触覚認識機構に基づく知能ロボット

Intelligent robotics based on mechanism of human tactile recognition

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