名古屋大学物質科学国際研究センターの天池 一真 助教(現 理化学研究所開拓研究本部・研究員)の研究グループ、名古屋大学大学院情報学研究科の山西 芳裕 教授は、複数の治療標的タンパク質に同時に作用する新薬候補化合物を生成する創薬AIを開発しました。実際に開発AIを用いて、気管支喘息の2つの治療標的タンパク質に作用する新規化合物の化学構造を設計しました。AI設計した化学構造をベースに10 種類の化合物を合成し、治療標的タンパク質を含む39 種類のタンパク質とのin vitro 結合試験を行い、その相互作用を評価しました。合成した化合物のうち3種類の化合物が、目的の2つの治療標的タンパク質と高い特異性で相互作用することを確認でき、所望の活性を有する化合物の生成に成功しました。本研究の提案手法は、治療効果の向上、副作用の軽減、患者負担の削減につながるポリファーマコロジー創薬の推進に貢献することが期待されます。
本研究成果は、2025年1月17日午前9時(日本時間)付Cell Press社「iScience」で公開されます。
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2025/01/ai-ai-2.html