「フェイクニュース」やその構造が社会へ及ぼす影響を解説する講演会を行いました。

2018年2月13日、名古屋大学大学院情報学研究科 社会情報学専攻の情報哲学講座・グローバルメディア論講座・グローバルメディア研究センターの共催による講演会を開催しました。
この講演会は,朝日新聞社のIT専門記者でデジタルウォッチャーとしても著名な平和博氏を迎え,「フェイクニュースの構造と課題」と題する講演をしていただきました。
 
まず冒頭で平氏は,フェイクニュースの現状と歴史として、フェイクニュースの代表的な定義やその起源を概説してくださり、さらに、近年のフェイクニュースは過去のそれと違って、情報が拡散していくことの規模と速度が高いと指摘されました。次に、フェイクニュースが及ぼす影響を様々な事例を交えながら紹介され、昨今ではドナルド・トランプ米国大統領が既存メディアをフェイクニュースだと批判していることに関し、メディア側も慎重な報道を行わなければ混乱に拍車をかけることになると論じられました。
 
さらに平氏は、フェイクニュースの構造と背景を、アメリカ大統領選挙に対するロシアの関与を事例にご説明され、フェイクニュースが選挙にどこまで影響があったかに関しては、様々な論考があることを指摘されました。最後にフェイクニュースの対策と課題として、例えばNew York Timesは、ファクトチェックを積極的に行ったことによりデジタル購買の部数が伸びていることや、国によっては法規制がなされているといった現状をご説明くださいました。
 
また、平氏は、フェイクニュースの氾濫がメディア空間全体への信頼を損ない、それが民主主義の機能不全につながりかねないと警鐘を鳴らされました。
 
たいへん内容の濃いお話をして下さいました平和博様、そして、この講演会にご出席くださり、積極的な質問や議論を繰り広げてくださいました来場者の皆様に、厚く御礼申しげます。
 

             講演をされる平和博氏(朝日新聞IT専門記者)
 
 
◇情報学研究科附属グローバルメディア研究センターホームページ
 http://global.si.i.nagoya-u.ac.jp/gmrc/index.html

PAGE TOP