2021年12月2日  アバター共生社会の倫理セミナー・シリーズ 第2回開催のご案内(社会情報学専攻 情報哲学講座)

アバター共生社会の倫理 セミナーシリーズのご案内
 
本研究プロジェクトの一環として、様々な分野の専門家をお招きしてアバター倫理に関連する研究や取り組みをご紹介いただくセミナーを開催します。
 
第2回(2021年12月2日(木))
 
第2回は「ゲーム依存・ビデオゲーム倫理の研究会」と題して、ゲーム依存症・ネット依存症の治療に取り組まれている藤原広臨先生(京都大学)と、eスポーツをはじめとするビデオゲームの倫理を研究されている岡本慎平先生(広島大学)のお二方にご講演いただきます。
 
日   時:2021年12月2日(木)14時から
 
会   場:オンライン(Zoom meetingを使用)
 
参加申し込み:https://zoom.us/meeting/register/tJcrcu6srDkjG9K2eObeoT3o-zL7cy5ldncj
 
プログラム(暫定):
・14:00-15:30 藤原広臨先生講演(質疑応答含む)
・15:30-17:00 岡本慎平先生講演(質疑応答含む)
 
講演タイトルと要旨
・藤原広臨:「良くも悪くも生活行動は健康に影響?:ほどよいインターネット使用・メディアマルチタスキングについての脳画像研究から」
生活習慣が脳構造・機能に影響することに関することについての知見が蓄積してきていますが、では、どの程度の生活行動が最適なのか?逆にいき過ぎると「行動嗜癖(物質に拠らない依存症)」として有害事象を引き起こすのか?については詳しくは調べられていません。本発表では、行動嗜癖に関する先行研究を踏まえつつ、現代に特有なインターネット使用や、それを前提・背景としたメディアマルチタスキングの程度が、意欲や注意力にどのように影響するのかについて、特に、より日常的・過度ではないレベルのこれらへのエンゲージメントの脳・認知機能への影響についての発表者らの成果についてご紹介するとともに、今後のこれらの生活行動に関する関わりについての意見交換に資するものとしたく考えております。
 
・岡本慎平:「楽しいゲームが害になる時:インターネット・ゲーム障害の倫理的含意について」
ビデオゲームやそれを競技化したeスポーツのプレイ人口が増加し、市場規模が大きくなるにつれ、ビデオゲームがプレイヤーにもたらす正負両面での影響が議論の的になる機会が増えている。一方で、ビデオゲームの優れたプレイは諸々の能力の卓越として理解されるようになり、認知症予防などのポジティブな効果も実証されつつある。他方で、インベーダーゲームやファミコンの時代より、ビデオゲームは様々な悪影響をもたらすと論難されてきた。とりわけビデオゲームのもつ依存性は「インターネット・ゲーム障害(IGD)」と呼ばれ、近年では、例えばキング&デルファブロの『ゲーム障害:ゲーム依存の理解と治療』(福村出版、2020年)に代表される経験的データの蓄積も増えている。もちろんビデオゲームのプレイとこれらの症例の間にある因果関係は未確定の部分が大きいとはいえ、IGDにより社会生活に支障をきたす患者が実際に存在すること自体に疑いの余地はない。だがそれを理由にして、公的な規制や業界への政治的介入をおこなうことはどの程度倫理的に正当なのだろうか。本発表では、公衆衛生倫理の観点から、IGDが規制や介入の理由になりうるかどうか、そしてもし一定の理由になるとすれば、どのような対処を正当化しうるのかを検討する。
 
講演者紹介
・藤原広臨先生:M.D. Ph.D. 京都大学大学院医学研究科 脳病態生理学講座(精神医学)講師、理化学研究所 革新知能統合研究センター 人工知能倫理・社会チーム 客員研究員
・岡本慎平先生:Ph.D. 広島大学大学院文学研究科 応用哲学・古典学講座 倫理学研究室 助教
 
イベントの詳細 https://www.is.nagoya-u.ac.jp/dep-ss/phil/kukita/avatar.html
 
 
 
 

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