第49回東海地区高校化学教育セミナーを開催しました(令和元年12月22日開催)

1.名称:第49回東海地区高校化学教育セミナー
2.期間:令和元年12月22日
3.場所:名古屋大学全学教育棟1階「15講義室」・4階「化学実験室1」
4.参加者数:55人
 
◇開催報告
 このたび開催した第49回東海地区高校化学教育セミナーは,高等学校における化学教育の充実と危険予測と対応も含めた教員のレベルアップを目指すもので,東海地区の各県(愛知,岐阜,三重,静岡,長野)と滋賀県から高校の理科教員47名と大学関係者8名が参加しました.
 午前の部は,大谷肇先生(名古屋工業大学大学院工学研究科 教授)の講演「はかる技術:質量分析法の基礎及び最新の応用展開」でした.質量分析法の基本的な仕組みの解説の後で,応用例の説明がありました.質量分析法の大きな特徴は各元素の同位体の量を別々のものとして測定できることで,ガスクロマトグラフィーなどと組み合わせることにより,強力な情報が得られて毒物の検出やドーピング検査などにも威力を発揮していることが紹介されました.
 午後の部は,田中義靖先生(東京都立多摩科学技術高校 教諭)の講演と実験「575化学実験~授業前の簡単な準備でできる効果的な化学実験~(準備5分,実験考察7分,片付け5分)」でした.生徒の思考力を育成するためにいろいろな化学実験を体験することを目的とした,様々な工夫がされた20の実験が紹介されました.その工夫とは,使用する器具類を出来る限り削減する,容器の小型化、試薬の少量化などです.鉛蓄電池の実験では,リード線やビーカーは使用せず,2枚の鉛板をろ紙の上で並べて希硫酸を数滴滴下します。9Vの積層電池を2枚の鉛板に接触させて充電し,プロペラ付モーターの端子を接触させて放電とします。参加者は,実際に実験することによって,実験を簡単にする工夫の仕方も学ぶことができました.
 参加者へのアンケートでは,ほとんどの方から「大変良かった」「良かった」という回答をいただくとともに,新任や講師らの若手参加者や過去に複数回参加経験のある方も多く,この研修会の有効性が感じられました.
 
◇セミナー風景

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